照明カバーの留め具パーツを3Dプリンターで作ってみた

3Dモデリング

照明って中々故障しませんよね。
家の照明も長く使用しており、6年以上前のものです。
しかし先日遂に、照明カバーの留め具パーツが劣化で壊れてしまいました。

長年の熱を浴びて、カサカサなってヒビも入っていますね。

照明は、「タキズミ照明器具 TXG-8892」です。
照明カバーの留め具パーツとは、カバーを取り付ける際にスライドさせて引っ掛ける部品で、下図の本体側の合わせマークがある部品です。

部品だけ発注はできるか調べてみましたが、2011年製でかなり昔の製品のため販売は終了しており、取り寄せもできそうにありませんでした。
メルカリならと思い確認しましたが、さすがにこんな部品を売っている人はいません。

こんな時こそ3Dプリンターの出番!
複雑なパーツは作ったことがなかったので、慣れないながらも試行錯誤しながら作成しました。
作成したものがこちら

作成データ

作成したデータをBOOTHで公開しています。
無料でダウンロードできるようにしているので、もし必要な方がいればご自由にどうぞ。

[3Dデータ] 留め具パーツ タキズミ照明器具 TXG-8892

作成時に困ったこと

寸法どり

湾曲しているパーツなので寸法を測るのが難しく、一気に全てを作って綺麗に取り付けられると思わなかったので、まずは取り付け部分だけ作りました。

結局穴の位置が合わなかったりで、4回ほど作り直しました。。。
全てを出力するには6時間ほどかかっていたので、まずは取り付け部分だけ作って正解でした。

形を作りやすいものに変更

取り付け部分がはまったので、全体を作りました。
元のパーツは、骨抜きだっったりで複雑な形状をしていましたが、そこまで真似て作る技術がないので、必要最低限の形で作成してみました。(左図が元パーツ、右図が作成したパーツ)

3Dプリンター作成物の弱点

熱溶解積層方式の3Dプリンターの弱点なのですが、積層の横方向からの力に弱いのです。
今回はこの形で作成しているので、こちらの方向に力がかかると割れやすいです。現に、試している間に、引っ掛ける爪の部分が割れてしまいました!
向きを変えて印刷することもできるのですが、サポート材の関係などで今回は変えたくありませんでした。
悩んだ結果、爪の部分の長さを短めにし、多少厚みを持たせることで対処できました。

取り付け

パーツを取り付けたらこんな感じ。

パーツは3箇所必要なので、3つ作り取り付けました。


成功するかドキドキしながらカバーを取り付けました。

いい感じです!上手くいって一安心しました。
懸念としては、蛍光灯の熱で同じように劣化しないかという点。これは少し様子見したいと思います。
これからもまだまだ活躍してもらいたいと思います。

1か月ほど使用したところで照明カバーが落ちてきました。
原因はやはりPLA素材の熱変形によるもの。PLAだと照明の熱に耐えきれないようです。
ABSで作成し直したところ、熱変形は起きずに無事に使えています。